入選短歌月まとめ

入選おめでとうございます
短歌マガジン 2024.12.30
誰でも

[次世代短歌プレミアム]

新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ネットなどさまざまな媒体で開催される短歌の企画でみなさんが入選・入賞した秀作をご紹介いたします。今回は12月8日までにお寄せいただいた情報をもとにご紹介させていただきます。


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入選短歌集

コピー機もため息ひとつつくように会議資料に白紙が混ざる / くらたか湖春

(NHK R6さくら短歌大会、吉川宏志選)

紫陽花の無限のさよならこだまする魔法の言葉カルペ・ディエム / 古井 朔

(毎日歌壇8月5日掲載、水原紫苑選)

氷菓食み原爆の日に黙祷すこの星の終戦いつになるかや / 古井 朔

(読売歌壇8月26日掲載、栗木京子選)

まだ若き母と歩いた桜道ランドセル揺らす君と手をつなぐ / 古井 朔

(令和6年度さくら短歌大会、高野 公彦選)

辞めるときエントランスにセミ十匹 放して辞める、笑って逃げる / 別木れすり

(OTONAの短歌、選)

三つめの惑星水は満ちたれど戦を止める術《すべ》を知らない / 椿泰文

(朝日歌壇10月20日、高野公彦選)

どれだけの一期一会の人たちに発しただろう「芋の水割り」 / 椿泰文

(NHKラジオ文芸選評、梅内美華子選)

危険だと言われ続けて太陽は決して自分で動きはしない / 椿泰文

(読売歌壇9月23日、栗木京子選)

うえ向いて屋根に寝ている世界一有名な犬かこむはスマホ / 椿泰文

(朝日歌壇7月14日、永田和宏選)

晴天にアイゼンの音アルプスの風の湧きたつ白馬雪渓 / 椿泰文

(朝日歌壇7月7日、永田和宏選)

少しずつ軌道修正しながらもきみの小さな惑星でいる / 真朱

(「あなたとよむ短歌」テーマ「宇宙」、柴田葵選)

あなたとは頼む料理が違うから未来も倍になる予感して / 真朱

(「あなたとよむ短歌」テーマ「デート」、柴田葵選)

あたらしい出会いを予感させているダイヤの変わった電車に乗って / 真朱

(57577展2ndうたらばコラボ・テーマ「春」、田中ましろ選)

夕焼けの向こうはあした 友達を越えられなくて、ずっとオレンジ / 真朱

(にしちー新曲短歌賞・第1弾、toron*、音忘信、にしちー選)

いつまでも一緒にいられますように☆吊るせずしまう青い短冊 / 真朱

(しおじり七夕短歌賞)

飛び乗った電車のドアが閉じてゆく 最寄駅には停まらぬ急行 / 真朱

(第4回素人短歌コンテスト・テーマ「ひやっとしたこと」)

心奥にながれる川に棲みついた闘魚をセルフィッシュと呼んで / 鷹橋ねい

(毎日歌壇7月15日掲載、水原紫苑選)

輪廻などないと信じてまなうらにネガを焼きつづけて生きること / 鷹橋ねい

(毎日歌壇7月8日掲載、水原紫苑選)

観光のコウは眩しい思い出に変化してゆく最初の光 / 真朱

(カクヨム「短歌の秋」第2弾テーマ「光」、宇野なずき選)

きみがいた三年のこと 「も」と「しか」の間に悠かな夏の風吹く / 田本悠馬

(第43回春日井市短詩型文学祭)

献体の希望をしますこの恋はよい標本にきっとなります / 案山子

(第17回「恋人の聖地」照葉短歌賞、伊藤一彦氏選)

待っていないようであなたを待っているたまに靴紐結び直して / 梅鶏

(読売歌壇6月3日掲載、俵万智選)

いっこ、にこ、たいせつそうに数えては路傍の石を貴石にしてゆく / 碧乃そら

(57577展2nd、木下龍也選)

弁当の蓋を開ければ唐揚げが唐揚げだけがあればいいから / 全美

(NHKラジオ文芸選評10月26日放送、テーマ「揚げ物」、斎藤齊藤選)

まだ父の温かいとこあるはずと看護師《ナース》は探し吾に触れさす / 間由美

(NHK短歌10月6日放送、川野里子選)

せきにんはもてそうもなくはやおきはできそうもなく蝉はなきやむ / はゆき咲くら

(短歌ラジオ「短歌部カプカプ」9月3日放送、第132回テーマ『夏の終わり』掲載、近江瞬選)

一点を見上げ待つ医師屋上に赤き命のヘリが近づく / 間由美

(NHK短歌7月7日放送、川野里子選)

物置に錆びた補助輪あの時も父は俺より喜んでいた / 間由美

(短歌部カプカプのたんたか短歌10月)

だいじょうぶ待っててほしい遅くとも7回目には見つけだすから / Rhythm

(ヒュー日向!マッチング短歌FINAL、枡野浩一、天野慶選)

今日は父に優しくしようと好物のピオーネ買って実家に帰る / 間由美

(婦人公論8月号、俵万智選)

人生を描く映画駄作でも私は私の映画を描く / 詩歩子

(歌壇2019年8月号、内田弘選)

結局はあなたがすきだ少しだけ隙間の空いた遮光カーテン / 海老珊瑚

(カクヨム「短歌の秋」第二弾テーマ「光」、宇野なずき選)

汗じみのふちが塩ふき真っ白で「入道雲」と言ってくれたね / あだむ

(NHKラジオ文芸選評 短歌テーマ「Tシャツ」8月3日投稿、佐々木頼綱選)

合格の通知をひとり部屋で見るきっとどこかで鐘は鳴ってる / 岩田茶閑子

(NHK短歌2024年10月号掲載、枡野浩一選)

どんなふうに忘れてもいい パインアメのわっかに舌をとおしてしゃぶる / 古井さらさ

(毎日歌壇6月3日掲載、加藤治郎選)

自我のないものはすべてが天使 手でみかんゼリーを掬《すく》って食べる / 古井さらさ

(毎日歌壇7月8日掲載、加藤治郎選)

どんぐりを宝のように欲張って紅葉の手からぽとぽと落ちる / 水川 怜

(令和六年真清田神社観月祭、小塩卓哉選)

企画書に「前例なし」の朱記ありて問えば「そういうことだ」と返され / 北乃銀猫

(NHK短歌 3月17日放送 「組織」、吉川宏志選)

「いっしょにいたい」と言えずに口からは「いっしょにセコマ行こう」とこぼれた / 北乃銀猫

(NHK短歌 2024.2月25日放送 「コンビニ」、岡野大嗣選)

摑んだら張りつく氷は痛いほど僕は君から離れられない / 北乃銀猫

(NHK短歌 2024.8月8日放送 「氷」、川野里子選)

母の日のてがみは少し滲みおりかばんの底で梅雨をすごして / 奥かすみ

(NHK短歌2024年11月号、俵万智選)

改札をでて3番の階段をあがればだいすき、ああだいすきな / 奥 かすみ

(NHK短歌2024年11月号、枡野浩一選)

すこしだけ元気が出た日曜の午後あかるい日陰においたサボテン / 碧乃そら

(京都文芸 歌壇 10月21日掲載、吉川宏志選)

「羽化したで」関西弁でしやべる甥そうだ、そのまままっすぐ育て / 生野薫

(ハガキ歌コンテスト)

自由にも重力はある地に足がつく方じゃない幸せのかたち / 奥 かすみ

(スペース短歌 最終回、千葉聡選)

過去問のごと同じ映画勧められ解きたくなくて吹かす秋風 / 小川ユキ

(NHKラジオ文芸選評10月12日放送、小島なお選)

冷房のない市電から札幌の秘める白さを想う8月 / 真朱

(北海道遺産短歌2024、山田航選)

人として運賃払いE席に座ってチェロは富士山を見る / 水川 怜

(第39回国民文化祭清流の国ぎふ短歌の祭典、後藤すみ子、鈴木竹志選)

診察券トランプみたいに繰る夫《つま》と旅の予定を決めかねている / 山口絢子

(NHK短歌7月号、俵万智)

ジーパンに盗人萩を付けたまま鴉の声を聴く旅がいい / 山口絢子

(NHK短歌9月号 佳作、俵万智)

現実のあなたはとうに居ないのにあの字とやの字の中で生きてる / 山口絢子

(NHK短歌11月号、俵万智)

鳩にしかモテへんねんとおっちゃんは阪神戦のボリューム上げる / 山口絢子

(NHK短歌11月号、大森静佳)

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※敬称略
※掲載情報は入賞者ご本人の投稿にもとづいてそのままご紹介しております

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