【秀作選】第10回毎月短歌・テーマ詠「性愛短歌」
[次世代短歌プレミアム]
第10回毎月短歌秀歌まとめ・テーマ詠「性愛短歌」
ネット月詠第10回毎月短歌で選者に選んでいただいた作品を秀歌としてまとめました
■テーマ詠「性愛短歌」秀作
「夜明けまで繋がっていて」熱っぽいスマートフォンが耳たぶ燃やす(梅雨すみれ)
AVと違うってそりゃそうでしょう地球儀と地球ぐらい違うよ(汐留ライス)
おしえてね?LとRのはつおんのどちらがきみをよろこばせるか(インアン)
くちびるを覆う刹那に駆け抜ける甘さはグラブジャムンを超える(ef)
コンビニでコンドームと肉まん買って同じ袋に入れちゃうのかよ(汐留ライス)
ふらふらのふたり暗転 ほんとはさ、そこまでわたし、弱くないんだ(白川 侑)
ものすごい速さでドラッグストアから帰って来たから笑い合ったね(インアン)
ラブホテル 人工甘味料の中二人ぼっちでたしかめあえば(水の眠り)
わたしたちどこにもいけない魚だね敷布にできたぬかるみの中(水川怜)
愛ということばを纏う夜だから偽りのない素肌に触れて(真朱)
愛情が受精に見えて何一つ触れてなくても好きと言ってよ(外村ぽこ)
快楽と恥の境目もう破裂しそうになって風船が飛ぶ(水川怜)
各々が手櫛で梳かす乱れ髪 始発の女性専用車両(Tsugumi)
肩越しにテディベアと目が合ったごめん大人になってしまって(宇井モナミ)
玄関の扉を閉めて谷川の合流のごと舌をあわせた(塩本抄)
散ったって桜は桜 あといくつ使うのだろうタンポンを買う(よしなに)
似合わない色を買ったの唇にのせてあなたにうつす口紅(水也)
耳朶を食む 真珠と君を味わって溶かしてみたい酸になりたい(睡密堂)
神経が集まってると聞いたけどここも脳ってことでいいかな?(眞木環)
性愛を歌えば風に煽られて上向きに咲くチョウセンアサガオ(waka_na)
脱衣所で裸の二羽の人間が鳥の部分を見せ合う真冬(猫背の犬)
豆苗が育ちゆく窓辺に揺れる昨日奪ったあなたの下着(あや)
虹彩の奥でからまる視線からはじまっている果ての世界が(水の眠り)
箸に付く米粒舐る卑しさで別れたくないフェラチオをした(野ロみ里)
腹の中月の満ち欠け感じてるあなたを襲う狼になる(地下二階)
夜明けまで繋がっていて」熱っぽいスマートフォンが耳たぶ燃やす(梅雨すみれ)
卵生む魚の肚のごと白き君のこむらに歯を立てている(水川怜)
□文語・現代文語作品
この人の子を産むだらう快楽《けらく》より先に子宮がさう定めけり(水川怜)
(ネット月詠「毎月短歌」より)
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