【短歌日記】toron*「ナイフのように爪先立ちで」(第23回)11月2日〜11月8日
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[短歌日記]
ナイフのように爪先立ちで 第23回
toron* 日記 11月2日〜11月8日
真裸な沼の匂いの秋の底まだ生きている手ごたえはなく
11/2(土)
三連休である。しかしここ最近、肩と背中が24時間中36時間くらい痛い。
いや、以前からも漫然と痛かったので、湯船につかったり、ストレッチなどをしてはいたのだけれど、一向にましになる気配がなく、というか一進二退くらいな感じすらある。
寝返りをすると肩の筋がちぎれそうな痛み(肩の筋がちぎれたことはないが)が走るので、このままでは選手生命に関わるかもしれない。
「それは早く病院に行った方が……」
と、夏生さんに云われるが、まあそれはそう。おれも誰かがこんな症状だったら同じセリフを言っていたと思うが、いざ自分が行ったことない病院へこれまでにない症状で乗り込むときってめちゃめちゃエネルギー要るんですよね……。
実際、夏生さんもこの夏めっちゃ調子が悪かったとき病院に行こうとしなかったので、頭で解っていても実際動けるかは別なのだ。
それはそれとして、きょうは午後から歯医者の定期検診に行く予定だったが、昼過ぎになって急に大雨になる。しかも町内放送で警報が出ていることを知るなど。
ずぶ濡れになってまで行くべきか悩んだ末、あきらめて日程を変更する。もう今月は予約でいっぱいで、次に空いているのは12月25日といわれる。
クリスマスに歯医者かーー。まあ、定期健診だし、まだ特にクリスマスの予定も埋まってないが……。
肩がいたいよーと思いながら昼寝、そののちに掃除。夏生さんは実家に帰っていて、こっちに戻ってくるのが19時半になるとのことだった。
晩ごはんにビリヤニ、長芋とオクラ、玉ねぎのサラダ。
ビリヤニは炊飯器に入れて炊きこむだけの素を使ったのだけど、炊き込みご飯の常でまあまあゆるくなってしまった。……個人的にはそのままよりウスターソースをかけると美味しかった。関西人なのでウスターソース味が大好きということもある。
食べながらドラマ版の『ゴールデンカムイ』を見る。
今回は家永カノ初登場の殺人ホテルの話だった。けっこうギャグ回で、そういえば金カムってギャグとシリアスの緩急すごいのだよなあ。ドラマ版、見れば見るほど白石が好きになっていく。
11/3(日)
きょうは夏生さんと京都水族館行く。
期間限定の「もっと体感!オオサンショウウオ展」なる展示があるのだ。
オオサンショウウオの香り(香り?)や手触りそっくりの模型が展示されているとのことだったのだけれど、オオサンショウウオの香りは、ボタンを押すとそういう香りのガスが出るらしい装置が置かれていた。
オオサンショウウオの名前は山椒の匂いに似てることかららしいのだけど、そこまで近くない感じ……いや、単に山椒の実の方をイメージするからであって、樹の方の香りに近いのかもしれない。香水の説明書き風にいうと、ウッディのなかのスパイシーって感じだろうか。でも生きものっぽい生々しさも若干あって、爽やかとは違う香りだった。
手触りの方は、オオサンショウウオの手の模型があって、握ってみたけど、油ねんどの質感だった。こんなにしっかりした感じなのかな。
水槽のなかの彼らは相変わらずどれだけ下に潜れるか、みたいなところがあって、オイルサーディンの缶詰をあけたところを彷彿とした。
あと、これははじめて知ったのだけど、オオサンショウウオはあんなに、1.5メートルくらいの体躯を持ちながら、脳の大きさは小豆と同じくらいらしい……と、いうことはわが家のかたつむりと脳の大きさがそんなに変わらない可能性もあるのだなあ。
ひととおり展示を見終わったら17時くらい。早いけど晩ごはんにでもするか、と夏生さんと話していたが、京都駅のポルタはめちゃめちゃ混んでいた。
なので伊勢丹の上の階の拉麺小路まで移動して、富山ブラックをさっと食べる。汁が真っ黒なラーメンが好き。
11/4(月)
三連休最終日。きょうは正倉院展に行く。が、チケットが完全オンライン販売に移行しているということを知らず、結局奈良公園を散歩して帰ってくるなど。
一応昨晩、夏生さんに「めっちゃ混んでそうだけど、チケットって事前に買った方がええんかな」と訊いてはいたのだが、「いや、けっこうすぐ当日券が買えるし大丈夫だよ」と云われたので、特にそこから調べたりもしていなかったのだよね……今は30分間隔で時間指定された入場券を買わねばならないらしい。
まあ、コロナとかここ数年でいろいろあったものな……とりあえず、商店街でお昼に食べたピザが美味しかった。
帰宅してから横置きになったり、横置きになりながら原稿をやったりする。
ちょっと歩いたら肩と背中がかなり痛くなったので、さすがに明日は観念して整体外科に行かねば、という気持ちが芽生えてきた。
誰とも話す気力がないメンタル状態に気概を打ち消されなければ、なんとか行ってみようと思う。
とはいえ、一週間で、休みの最終日がいちばんやる気がある気がする。
常備菜に小松菜の煮びたし、味玉、こんにゃくの炒め煮、にんじんと玉ねぎのナムルなどつくる。
それとは別に晩ごはんにバジル入りハンバーグ、やまなめとえのきとうす揚げのお味噌汁、粉吹き芋とレタスのサラダ、白ごはん。
食べたあとさらに横置きになって電子で買った『シャーリーホームズとバスカヴィル家の狗』を読む。
めちゃめちゃ面白いが横向きで肩と首に読むと負担がかかりすぎる。しかし紙本で読んでも本の重さでダメージがくるのである。
11/5(火)
肩から腰にかけて連日爆弾を抱えているので、ついに観念して会社の近くの整形外科に行く。以前、スラム街に暮らしていたときは周辺の病院がだいたい星2台で、さすがスラム街……と戦慄したものだが、さすがにこのあたりでは解りやすくそんなことはない。
Google先生と相談して「先生も看護師さんもとても丁寧だが初診はとにかく待つ」というクチコミのあった、星3.4の病院にしてみた。
結果、18時に受付して呼ばれたのは確かに19時半だった……クチコミ、めっちゃ正しいやん。電子書籍で読んでいたミステリで、2人死んで、主人公が犯人と思しき人物に監禁されるまで読み進んでしまったわ。