【連作】薄暑なつ「淡い窓」
薄暑なつさんの連作「淡い窓」をおとどけします
短歌マガジン
2024.07.29
誰でも
[次世代短歌プレミアム]

■歌人プロフィール
薄暑なつ(はくしょなつ) @hakusho_
ナナロク社 新短歌教室一期生、この教室から短歌をつくりはじめる。二〇二二年、東京歌壇年間賞(東直子選)。ミニ歌集『Thank you for praying』(SPBS)。短歌同人誌『号外』。
[連作]
淡い窓
薄暑なつ
車窓だと思って眺めることがある一箱古本市のひとつを
出どころがわからないまましゃぼん玉にはしゃいでる 風が季節を運ぶ
LとR 色がちがくてふたりって感じ しばらくふたりと過ごす
音楽を頼りにねむりに入るときたましい深く丸く傾く
グラデーションのきれいな紙のおしまいに追伸、 波を結ぶみたいに
あちこちにあなたの言い回しが灯りずっと反芻してあたたまる
ひと続きの春のハイツの淡い窓 時間をかけて光に変わる
(薄暑なつ)
[感想・コメントお待ちしております]
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