ぷくぷく・自選短歌集
今回はぷくぷくさんの自選短歌作品をおとどけします
短歌マガジン
2025.01.11
読者限定
[次世代短歌プレミアム]
■歌人プロフィール
ぷくぷく @pukupuku2020
愛知県名古屋市生まれ。神奈川県川崎市在住。会社員。第七回笹井宏之賞。うたの日育ち。
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[ぷくぷく・作品集]
自選短歌集
ぷくぷく
すずらんの音色が水におちたとき生まれたような小さな魚
青年は傷にまみれていたけれど、こういうデザインなんだ、と言った
詰草が揺れていましたサーカスが行ってしまったあとの丘には
もう伝えましたからねと紫陽花は古い手紙のように黄ばんだ
かっこいい計算式を託されてなんか元気なエクセルのセル
ブラインドごしに西日が入るから会議はいつもしましまだった
あたたかい光のふりをしているがやっぱりこれはパンなのでしょう
工場でラムネにされてしまうとき水は痛くてこわいだろうか
向日葵は自分がかなり黄色いとわかって咲いているふしがある
ひさびさにブックカバーをはずしたらなんだか風邪をひきそうな本