【短歌のひみつ】湯島はじめ「バッキーと黄色い潜水艦 ──ほんとうのことを書き続ける」

本日は歌人湯島はじめさんの短歌のひみつをおとどけします
短歌マガジン 2024.09.26
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[次世代短歌プレミアム]


■歌人プロフィール

湯島はじめ(ゆしまはじめ) @hajime_yu11

かばんの会所属。2018年に作歌をはじめる。
第67回短歌研究新人賞候補。好きな茶は烏龍茶。

***

[短歌のひみつ]

バッキーと黄色い潜水艦

 ──ほんとうのことを書き続ける

   湯島はじめ

 「東海オンエア」というグループYouTuberが“自分たちが子どもの頃の最も古い記憶の再現映像を作ってメンバーに観せる”という動画(※)を4年前に公開した。

 いきなり何の話ですかという感じだけれど、ほんの少しだけ聞いてほしい。

 動画でメンバーの一人「てつや」が提出したのは、幼稚園児のころに活発な男の子たちが外で遊んでいるなかで自分は室内でレゴブロック遊びをしているという再現映像だ。そばには同じようにレゴで遊んでいる女の子たちがいて、そのうちの一人が突然真っ白いげろを吐く、その飛沫がてつやの遊んでいたレゴに飛んでくる……。こんな記憶だ。

 この動画はあまりにも”わたしの見たいもの”だった。

 大人は「子どもの頃こういうことがあってね」などということ、とくに"レゴにげろ"みたいなごく小さな記憶のことを、職場の同僚や忙しい日々の中で会う友人たちとはあまり多くは話さない。自分が見た夢の、夢特有の理不尽で不思議な夢の話なんかもそういうジャンルだ。

 わたしは他人のどんなプロフィールよりもこういうことが一番知りたい。こういう短歌も大好きだ。なぜ知りたくて好きなのか。子どもの頃の主観的な記憶や感覚、眠っているときにみる夢のことは、まちがいなくその人から出てきたほんとうのことだからだ。

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