【短歌日記】toron*「ナイフのように爪先立ちで」(第13回)8月24日〜8月30日
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[短歌日記]
ナイフのように爪先立ちで 第13回
toron* 日記 8月24日〜8月30日
止みかけの雨はひかりにまぎれつつうつむくひとの眼鏡を打てり
8/24(土)
午前中、歯医者に行く。前回仮止めをしたところの部位に銀歯を被せられることになっているのである。
これまで歯は抜かれたことがあっても、こういうふうに人為的な「歯」を入れられるのははじめてだったので、ハイパー緊張……というか、白い歯が銀歯に置き換わるのがたいへんショックだったのだけど、ひええ……と思っている間に終了。仮のカバーを外されて、神経に響く! 染みる! などと心中叫んでいたが、おそらく10分くらいだった。
右の奥の親知らずのひとつ手前の歯だったので、銀歯になっても結局自分ですらどうなっているのかよく見えず……でも、なんとなく経験値は爆上がりした感じがある。
午後に夏生さんの弟さんからお祝いとしてオーブンレンジが届く。
これまではわたしがスラム街で使っていたオーブンレンジ(リサイクルショップで購入して、その後さらに10年使用していたニトリ製)を使っていたのだけど、そろそろ「限界」を感じてきていたのである。
以前のものはオーブンレンジとはいえ、かなり焼きムラがあり、パンやお菓子を焼くのにあまり適していなかったので、この機会にパウンドケーキとかつくってみようかな……『きのう何食べた?』のシロさんのバナナパウンドケーキ、つくってみたいのだよね。
その後、夏生さんの車でブックオフへ行く。
きのうくらいから、ニンテンドースイッチを買いたい機運が高まっていたので、中古でいいお値段だったら買おうか……ということを話していたのだ。
だが、店頭には残念なことに新品の価格から3千円安くなったものとしかなかったので断念。温又柔『魯肉飯のさえずり』、斉藤倫『ポエトリー・ドッグス』などを買って帰る。
晩ごはん、栃尾揚げを焼いて醤油をたらしたやつ。イオンの餃子焼いただけ、豆苗のサラダ。
ぽつぽつ読んでいた吉川さんの『叡電のほとり』を読み終わる。とても良かった。吉川さん自身がけっこう短歌関連で各地への移動が多く、旅行記的な味わいがあるのも面白い。九条葱をけっこう食べられていて、自分も引っ越してきてからスーパーで割と見かけるようになったので、いつかうどんにのせて食べてみたい。
葱買いて帰り来たるに夕闇を積み上げておりジャングルジムは/吉川宏志『叡電のほとり』
8/25(日)
昼前に京都へ。華子さんの家で漫画、『メダリスト』の感想戦をするのである。砂ずりとペンネのトマト煮込み、切干大根のサラダなどをつくって行く。
『メダリスト』はわたしと華子さんは最新刊まで既に追いついて読んでいたのだけれど、今回は小窓さんもマガポケのアプリで最新話まで追いついてきてくれたので、がっつり話ができるのでかなり高まっている。ってゆーか、ここ最近は漫画とドラマとアニメの話をするために月2回くらいの割合で集まっていて、学生時代の再履修感がある。
華子さんのつくってくれた鶏ハム、茄子とパクチーのサラダ、チーズのたまり醤油漬けなどをテーブルに展開して、先週出たところの最新刊の話から、まだ回収されていない伏線の話までがっつり話せて楽しかった。
自分、「潜在能力は高いけれど周囲の環境に恵まれなかったためそれに気づかないまま自己評価の低い主人公がバディ的な存在に出会って成長していく」という設定にめちゃめちゃ弱いのだけど、この『メダリスト』も実はそうだったと今さらながらに気がついたりした。
やはり好きなものについて誰かと話すの、いいですね……あと司先生が四回転サルコウの練習をするいのりちゃんに向けて「成功を願いすぎちゃ駄目だ。ジャンプは願いの強さで飛べる魔法じゃない」ということばが印象に残った。これは「ジャンプ」以外にもいろいろいえるような気がする。
夜になってからも、なんだかんだと話題が出て、華子さんから『ラストマイル』をおすすめしてもらう。そういえばXでも観に行っているひと多かったな……『アンナチュラル』と『MIU404』を予習する前に行っても大丈夫だろうか。
あと、小窓さんと来月、大阪の高石市で行われるフィギュアのノービスの大会の観戦に行ってみようかという話になる。けっこう忙しい秋になりそうな予感。
またしても20時まであっという間で、喋り足りなさを抱えつつ帰路につく。
8/26(月)
そうそう、書きそびれてしまったが、実は昨夜の帰路、JRが運転見合わせをしていて京阪と近鉄を乗り継いで帰ったのだった。1時間ジャストくらいで帰れるはずだった道のりがプラス1時間くらいかかっしまった……最近、停電めちゃめちゃ多くないか。
出社してもくもくと働く。先週あたりから残業するほどでないとはいえ、なかなか忙しい。
帰宅すると、左右社の短歌アンソロジー『月のうた』が家に来てくれていた。自分の月の歌も一首収録してもらっていたりするので、お読み頂けたら嬉しいです。
このシリーズ、この刊行ペースだと冬くらいと春くらいにまた出る感じなのだろうか。装丁は今回も非常に凝っていて、ほんとうに月の表面の模様に近くて、模様をプリントアウトしているのでもないのに、すごいなと思う。質感もまた前回の『海のうた』と違っていて、つい何度も触ってしまう。
晩ごはん、茄子と豚肉、トマトのフライパン蒸し。とろけるチーズを仕上げにかける。それとえのきとうす揚げのお味噌汁。ピーマンのきんぴら。
飼っているかたつむりにごぼうをあげてみたが、食べない。割りばしを入れるとたいてい齧った後が残っているので、好きそうな気がしていたのだが、そういうわけではないらしい。
8/27(火)
出社。台風10号が非常に不穏な感じ。奄美大島に上陸してからなぜか時速15キロ(チャリで移動しているのと同等の速度)で気がつけば近畿に上陸するのが土日あたりになってしまっている。……週末の塔の全国大会のために関東から来る会員は大丈夫だろうか。だいたい「サンサン」ってネーミングなんやねん。パンダちゃうねんぞ。
めずらしく会社を出るのが遅くなってしまって晩ごはんは流水麺。具はトマト、かにかま、きゅうり、茄子のよごしなど。先日実家からもらったヤマエの高千穂峡のつゆで頂く。……なんか美味しかったらしく、わざわざ取り寄せて買ったらしい。
確かに美味しいつゆだったけれど、四倍濃縮のつゆになれきっていたので、ストレートだとこんなに薄くてこんなに消費量多くなるんだ……とけっこう呆然とする。
寝る前に川本千栄さんの『裸眼』を少し読む。
内面の激しさにびっくりするような歌がいくつもあって、こういう歌は自分には詠めないだろうな、とも思う。
身動きのできないままに薪として焼べられてゆく百もの歌に
それを願っているのは私おんなじだ発狂の末衰える楡/川本千栄『裸眼』
8/28(水)
きょうはテレワーク。うっすら身体が重い。でも、五苓散を飲むとちょっとましになった気がしないでもない。
台風10号はまだ全然九州とかにいるのだけれど、既に天気が悪い。隣接する三重県には大雨警報も出ている。あと東海道新幹線もどうも29日から終日運休する部分が出て来ていて、この感じだと30日、31日も運休、ないしはダイヤが乱れそう。
塔の公式ホームページとSNSにも発表が出ていて、31日の午前のプログラムを中止にするかを29日の夜までに発表するとのことらしい。大会の実行委員の方たち、今きっとめちゃめちゃ大変なんだろうな……。
晩ごはんは水晶鶏とえのきの梅和え。小松菜とうす揚げのお味噌汁、茄子のよごし。常備菜にたらこ味のポテサラ、味玉も仕込む。
夏生さんも気圧で体調が微妙そうで、お互い23時前にシュッと寝る。
8/29(木)
家の台風対策をせねばと思いつつ、スーパーで土日に買いものに行けないだろう分も見込んで買って帰ってきたら遅くなってしまった。また、先週くらいから、米が品薄なのでわたしは米を食べないようにしているのだけれど、夏生さんがまちがえてがっつり3合炊いてしまっていてどっと疲れる。
晩ごはん、鰤の照り焼き、小松菜とソーセージのお味噌汁、たらこ味のポテサラ。
食べ終わってから、ベランダの物干し竿を下ろしたり、自転車を駐輪場の柵に紐で固定したりと台風対策。ベランダのオクラとバジルの鉢も中に入れる。
20時過ぎに、塔のホームページに午前中の歌会が中止になるとの発表があった。東海道新幹線もやはり土曜は終日運休になりそうで、Xでもこのタイミングでキャンセルする方がけっこういそうだった。
「なんかめっちゃしんどいな……肩とか鎖骨のあたりが」と、つぶやくと夏生さんに「乳癌かもしれないし、一度検査に行った方がいいよ」と返される。
いや、そういうのではないんじゃないか……と思いつつソファに座ったら、謎の涙がつぎつぎに出てきてしまった。適当におさまってから早く風呂に行ってしまおう、と思いつつもなかなかおさまらず、夏生さんに気づかれる。
「え……なんで泣いてるの?」