【短歌日記】toron*「ナイフのように爪先立ちで」(第38回)2月15日〜2月21日
[次世代短歌プレミアム]

[短歌日記]
ナイフのように爪先立ちで 第38回
toron* 日記 2月15日〜2月21日
現実との溝をひかりで埋めようと暗くして見るNetflix
2/15(土)
そういえばきのう書き忘れていたけれど、夏生さんにバレンタインチョコを渡すなど。
今年はモロゾフの「キツネとレモン」というシリーズである。モロゾフは可愛くて美味しいので、毎年なにかしらは買っている。これはエルダーフラワー味というのが入っていたので選んだところがある。
エルダーフラワー、夏生さんはけっこう好きなのだけど、わたしは食べたことがなく……ソーダみたいなものを飲んだことはあったけど、ブドウっぽい味だったような……でもそれは別にエルダーフラワー自体の味ではなかったかもしれない。アロエ自体は味がしないのに、なんとなくブドウっぽい味がつけられているような。
石村まいさんの『パリで風邪をひいた』読み終わる。
自分も去年、新婚旅行に行っていたのでいろいろ重ね合わせつつ読んでいたが、やっぱり海外は大変そうだな……と感じるなど。パックツアー、いいところも多そうだけど、体調不良になるとホテルに帰るのも自由にはできないのはきつそう……。
自分はまだ海外を経験したことはないけれど、本などで得ていたフランスの情報と答え合わせするのも面白かった。
確か子どもの頃に読んだ『サンタのなつやすみ』という本で、フランス料理のディナーは「味が薄くて、どの料理にもクリームソースがかかっている」ことが皮肉として描かれていた。「皮肉」ではあるのだろうけれど、完全な間違いというわけではないとも知って、子ども時代の自分が喜んだ。またこの絵本が出たのが1998年だということを考えると興味深い。
フランスのティッシュは分厚い、ということも聞いていたので、作中でティッシュのエピソードが出ていたのもなんだか良かった。フランスのティッシュは分厚いので、手を洗ったあとこれで拭いたりもするらしい。ハンカチを持ち歩かない人も多いのだとか。
今晩、夏生さんは、友人の家で鰤を頂いているらしいので、自分は適当にやらせてもらう。
冷蔵庫で半端に残った野菜(小松菜、えのき、白ねぎ)と冷凍の水餃子を、これも死蔵ぎみだったキムチ鍋の素を使って煮込む。それと缶チューハイ。
煮込みつつ『BEASTARS』を見ていたら、ようやくシーズン2を見終わることができた。
日付が変わってから夏生さん、帰宅。鰤の残りをヅケにしたものをお土産に持って帰って来てくれた。鰤の舞をおどる。明日はこれで日本酒を飲みたい。
2/16(日)
ちまちま再履修していたアニメの『BEASTARS』、ファイナルシーズンにようやく追いついた……! これが見たくてネトフリに再加入したのに、そこに到るまでに復習にけっこう時間がかかってしまった。
しかもファイナルシーズンでようやく登場する、ヤフヤの声優が三木眞一郎なのだった。
原作のヤフヤにはまあまあイラっとしながら読んでいたのだけど、アニメだと何かいうたびに「かっこいい……」になってしまう。
三木さんは、チャラいキャラがふいに見せる真面目な表情、みたいな二面性のある役が多い気がするけど、ヤフヤはわりと終始真顔なキャラなので、抜擢は意外な感じ。でもかっこいい。
晩ごはん、鰤の漬け丼、ねぎ入りのだし巻き卵、豆苗ナムルなど常備菜いろいろ。
このタイミングで下の妹からもらった日本酒(プラネタリウムという名前だった)の残りをあける。
鰤の脂が濃いので、日本酒を飲んですっきりして口にまた鰤を……というループが堪能できる。
ループ中に夏生さんが高校の頃、化学部に勧誘されたが結局入らなかったという、なにげにこれまで未発表だったエピソードが聞けて面白かった。
日本酒をひさびさに飲んだこともあり、はやめにすんやり寝入る。
しかし、3時ごろ、肩の痛みで中途覚醒する。……フィットボクシングやっているとけっこう肩の凝りが緩和されてる気がして、しばらく整形外科に行っていなかったのだが、やはり逃れられない宿命なのか。誰かと肩を取り替えたい。
2/17(月)
会社からBluetoothのキーボードも貸与してもらう。これで、テレワークがさらにやりやすくなってしまったぜ。ふふふ……。
しかし気持ちは盛り上がっても肩の痛みが限界なので、仕事後に真顔で整形外科へ。
電気を当てて施術してもらうと、先週のもろもろの小さな不調は、結局ぜんぶ肩の所為だったなとよく解った。肩以外に気持ちがあきらかに軽くなる。
やっぱりフィットボクシングだけじゃ無理かーー。というか、もう無能感がひどいときは「早く寝る」「湯船につかる」「フィットボクシングをする」「整形外科に行く」のどれかで9割がた解消できるのだよな……忘れてまた無能感に陥りそうな気がするので、ここにちゃんと書いておく。早く寝ろ、湯船につかれ、フィットボクシングしろ、整形外科に行け。
そして書いてみて自覚したのだが、自分は美味しいものを食べたり、人と話したり、何処かに遊びに行ったり、は特にストレス解消にならないようである。むしろそれを楽しむために、諸々の不全を解消しておく必要があるというか。
晩ごはん、レンチンするだけの豆腐グラタン。さいきん夏生さんとこのシリーズにはまっている。正直「グラタン」ではないのだが、あっさりしていて食べやすいし、一品でメインになるし安くてなおかつボリュームもある。味の種類も多い。ちなみに相模屋がつくっている。
実は「きょうは遅くなるので豆腐グラタン温めて先に食べてて」と夏生さんに云ったら、晩ごはんを待っていてくれたことに加えて、もう一品、鶏もも肉を柚子胡椒風味で焼いたりしてくれていた。
意図はあまり伝わっていなかったようだが、ありがたいし美味しかったので、まあいいか……。
2/18(火)
佐藤亜紀の『バルタザールの遍歴』を読む。
半分くらい読みかけたまま放置していた状態だったのだけど、元気になってきたのでまた続きを読みはじめる。この作者はだいたいヨーロッパ、それもドイツ、ロシアあるいはその周辺国家の話。時代も第一次、第二次世界大戦あたりの設定が多い気がする。
佐藤亜紀はおそらくここ数年で一番はまっている作家で、独特の一人称での回想、というか独白のような文体で書かれていてそれがかなり癖になっている。
また主人公に対しても、それなりに家が太くて教養もあって顔も悪くないのだけれど、何処かが致命的に壊れていて、その所為でどんどん堕ちてゆくという展開が多く、救われないのに眼が離せなくなる。
話によって、最後までずっと堕ちてゆくだけなのか、途中で落下が止まって大団円になるかは差異があって、この『バルタザールの遍歴』の主人公がどうなるのかはまだ判然としない。
ただ、4分の3くらい読み終わった時点でも、ずっと酒を飲んで状況に流されているばかりなので(しかし面白いんですよ)、どういう結末になるか非常に楽しみになってきた。今週中には読み終わりそう。
晩ごはん、鶏むね肉でつくったチャーシュー、小松菜とかにかまと卵のスープ。常備菜の残りいろいろ。
鶏むねではじめてチャーシューをつくってみたが、思っていた以上に柔らかくて美味しい。
ここ最近つくっていた「白ごはんドットコム」のレシピのサラダチキンより、簡単で味もしみている……というか、鶏むねは淡泊だからやはり濃い味付けの方がいいなと改めて思った。
2/19(水)
佐藤友哉の『青酸クリームソーダ』という長編に「冒頭から暗黒で申し訳ないが」というのがまさしく冒頭の一文にあるのだけれど、それがかなり好きである。
そんな感じの夢を見た。
実家の床で巨大な海老……オオサンショウウオをふた回りくらいでかいやつを2匹飼うことになった。今思えば見た目はどちらかというとシャコっぽさがあったのだけど、夢のなかでのわたしの認識は「海老」であった。
しかもちゃんと肉食らしく、「洗濯用ネットにひき肉をいれてあげると自分で押し出して、好きなタイミングで食べる」と母上が言っていた。
基本的におとなしいようであったが、やはり海老らしく予測不能な動きをして、父方の祖父の眼にはさみ(海老なのに)が当たって、祖父の白内障が悪化してしまった……というあたりで眼が覚めた。