【短歌日記】 toron*「ナイフのように爪先立ちで」(第6回)7月6日〜7月12日
[次世代短歌プレミアム]

[短歌日記]
ナイフのように爪先立ちで 第6回
toron* 日記 7月6日〜7月12日
方舟を押し出すようにあなたから猫の写真が送られてくる
7月6日(土)
朝起きた瞬間から感じるだるさ。気絶するように二度寝してしまって、起きたら9時過ぎだった。午前中、買いものに出かけたかったのでさっそく出足が遅れてしまった感じ。
10時過ぎくらいにふいにインターホンが鳴って、どうも私服の男性(年齢不詳・透け感のある白T・岡崎体育似)が映っていた。
宅配便関係も届く予定がなかったので、だ、誰……という感じでひとまずやり過ごす。夏生さんが不在なのでとりあえず出るという選択肢はない。
が、思いのほか、ドアの前で待っている時間が長い……いや、体感的に長く感じただけで実際は1分くらいだったかもしれないが、そのくらいの時間で彼は去って行った。
それから30分後、出る準備を整えて今まさに出発しようとドアノブに手をかけて
(いや、ちょっと待て。一応確認してから……)
と、魚眼レンズを覗いたところさっきの男性がいて絶叫するかと思った。
すぐさま玄関から家の中に逃げ帰り、レッサーパンダのような周回行動を10分くらい続けてようやく落ち着いてきて、論理的な思考回路が働くようになった。二度目の訪問の際はインターホンを鳴らさずに、何かドアノブにかけていった音がしたようだったし、例えば洗濯物を落として届けようとしてくれたとか、そういう可能性もあるのではないか……など。
それからさらに10分後、気力をふり絞って外側のドアノブを確認すると。「御挨拶」の熨斗と包装紙につつまれた洗剤が袋に入った状態でかかっていた。メモ書きによると上の階に引っ越して来た住人だったようだ。
そういえば大阪にいた頃は10年スラム街のアパートに住んでいたが、引っ越しの挨拶などされたことなかったな……と思い出した。今後もひとりで在宅時に出ることはないかもしれないが、それでも申し訳なさがある。
この応対に一日のエネルギーのほぼすべてを持って行かれてしまった。
晩ごはん、ズッキーニと茄子と挽肉で味噌炒め。冷奴にきゅうりと茗荷をのせたやつ、キャベツと薄揚げのお味噌汁、白ごはん。
7月7日(日)
きのうの午前中の来客にエネルギーを持って行かれて書きそびれてしまったのだけど、実はきのう、夏生さんが仕事中に熱中症を起こして早退してきた。
車で、途中のコンビニで休憩しながら帰ってきたらしく、わたしが家に帰って来たころはかなりマシになっていて、食欲もあり……とはいえ、漠然と不調のようで、エアコンもタイマーを使わずに一晩中つけることにした。
きょうも夏生さん、うっすら体調悪し。でも午後には起き出してきて、一緒に無印のカレーなど食べる。ちなみに夏生さんは牛すじカレー、わたしは海老のブラウンマサラ。
午後から夏生さんはならファミリーに夏服などを見に出かけるとのこと。その間にわたしは掃除と買い出し。
きょうもめちゃめちゃ暑くて、クーラーのついていない部屋に掃除機をかける、たかが10分くらいの間に謎のしんどさが来る。これは屋内でも熱中症になるわ……。
晩ごはん、味の素の冷凍餃子焼いただけ(普通味と生姜味)。掃除と買い出しで疲れ切ったので、焼くのは夏生さんにおまかせする。それと、スーパーで半額だったうなきゅう巻き。
味の素の生姜餃子が、すべての冷凍餃子の中でいちばん美味しい気がする。王将でも生姜餃子がメニューにあるけれど、レベルが違う(と、夏生さんが云っている。わたしは王将にまだ一回も行ったことがない)。
21時半から月イチの恋愛短歌同好会キャス。都知事選の開票(実際は20時すぐに結果が出たが)と被っていたので参加者やや少なめ……ただ、意見はたくさん出て、結果的にはいつも通り23時ちょうどに終わった。今月もありがとうございました。一首のなかでふたつの比喩を使うやり方など、いろいろ話し合えて良かった。
後から気がついたのだけど、都知事選だけでなく千種創一さんと上篠翔さんの『短歌研究』を読むスペースの時間とも被っていたみたい。むしろおれがそのスペース聴きたいわ、と思ったものの、録音を残さないパターンだったようで、床でのたうち回る。
キャスが終わって30分後にはベッドに入る。
7月8日(月)
めちゃめちゃひさしぶりの爽やかなめざめ。昨夜、短歌について楽しく喋ったことによるのか、エアコンを一晩中稼働させたからか、それとも生姜餃子という栄養完全食を摂取したからか……それとも単に暑さに身体が慣れてきた、ということもあるかもしれない。何年生きても夏の素人です。
夕方ごろ、先週に引き続き黒の組織からまた「残業は経験値云々」の電話が、今度は出向先の部長宛てにかかってきて気分が落ち込む。部長はわたしの所属先が「黒の組織」だと知っているのであしらって流してくれたらしい。
「うーん、やっぱり変わった価値観の会社だよね」と、部長は笑っていたけれど、そこで働いている社員の印象を損なうようなやり方をふつーにしてくる、黒の組織に対してメンタルが落ちぎみ。帰路の近鉄電車で黙々と『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』を読む。物語のなかに逃避。ブギーポップシリーズの中ではこの話がいちばん好きかもしれない。
晩ごはんは回鍋肉。作りおきの茄子のよごしときゅうりじゃばら漬け。
夏生さん声枯れしてほとんど声が出ず。朝は普通に喋っていたのに……?
声も出ないし、無理に話そうとすると咳き込んでしまうし、なにより体調とメンタルが落ちまくっているようで……きょうの黒の組織のやり取りのことを笑い話に昇華することもできず、それ以前にほとんどコミュニケーションできず、お互いびっくりするくらい早く寝る。
7月9日(火)
5時起床。さいきんもアラームをかけずに眼がさめた時間に起きてはいたものの、だいたい6時前という感じだったので、やや早い。きょうも体調は良し。黒の組織に対しての怒りは続行中。