[短歌日記] toron*「ナイフのように爪先立ちで」(第4回)6月22日〜28日
[次世代短歌プレミアム]

ナイフのように爪先立ちで 第4回
toron* 日記 6月12日〜28日
傘の内側にいてなお濡れてくる平行四辺形のたましい
6月22日(土)
今日は土曜日だけれど夏生さんは出勤。わたしの方は8時には起きて洗濯したり、100均に行ったり……100均では水のボトル(1.8Lと350ml)、お弁当のおかずカップ、調味料などなんやかんや買う。帰宅して掃除して、冬から出しっぱなしになっていて毛足の長いカーペットを仕舞って常備菜の残りをさらってお昼を食べていると、生活のタスクをこなしている謎の充実感があふれてくる。
お昼を食べながら再放送の『光る君へ』を見る。まひろが藤原宣孝にプロポーズされたのはXの情報で把握していた。
藤原為時と藤原宣孝はいとこ同士らしいけど、自分の娘に自分と同じくらいの歳のいとこが言い寄っているのを察知したら、たとえ未婚だったとしても自分だったらぶち切れてしまうかもしれんな……と思いつつ、「忘れえぬ人がいてもよい。それもお前の一部だ。ありのままのお前をまるごと引き受ける。それができるのは私だけだ」と云われたら、まひろでなくても確かに寄りかかってしまいそうになるな、とも思ったり。
午後に少し『コレクション日本歌人選 蕪村』を読む。
以前、歳時記関連のエッセイを読んでいた時「うつくしや野分のあとのたうがらし」という蕪村の句が引かれていて、なんかいいな、と思ったのである。「五月雨や大河を前に家二軒」も良かった。
解説によると、蕪村の句は写実や自分自身のことのような句もあるものの、九割は句会の題詠でつくった虚構の景で、漢詩や芝居、あとは想像力が力点になっていたらしい。つくり方にもどことなく共感があり、惹かれたのは縁があったからのような気もする。
晩ごはんは鶏もも肉とズッキーニのトマト煮込み、いんげんと卵のサラダ、白ごはん。
夏生さん、七時過ぎに帰るものの疲れているみたいで22時には寝てしまう。
6月23日(日)
8時には起床。きのう大まかな家事をやり終えているので、午前中はおだやか。夏生さんも昼前に起きてきて、無印のカレーでお昼ごはん。ちなみにわたしは海老のブラウンマサラ。夏生さんはマトンのキーマカレー。
午後に図書館に行ってからのビックで買い出し。ピクミンブルームでホワイトリリーが全然見つからなかったのだけど、夏生さんに車で迂回してもらって、道中で3本ほどゲットできた。
図書館では雑誌『うかたま』のバックナンバーを借りたかったのだけど、在庫が1冊もなかった。かたつむり関連の本も探していたのだけど、ぱらぱら読んだなかにはあまり良さそうなものがなく……と、いうのも、今飼っているかたつむりの種類を調べたかったので。ただ、いくつかの本を斜め読みして、かたつむりの天敵のひとつにヒルがいるということを知るなど。
記載されていた写真のコウガイビルは『スタンド・バイ・ミー』に出てくるような凶悪なやつではなくて、頭の部分が三日月型、ということ以外はほぼミミズという感じ……なのだけど、これ自宅のマンションの駐車場で見たことあるな。完全にミミズかと思ってたわ。ってゆーか、かたつむりもそこでよく見るし、こんなところにも食物連鎖が……。
と、思いつつも、これまでヒルを見たことがなかったのでまあまあ動揺してしまう。
まあでも、奈良に来てからはじめて見た生きものはけっこうたくさんいるかも。うつくしいものでいうと、イソヒヨドリとか、今みたいなケースのやつだと奈良公園の鹿の毛並みにくっついて巨大化したダニとか……。
図書館をあとにしてからビックで買い出し。晩ごはんは市販のチゲの素でチゲ鍋。冷凍のあさりの残りを入れたら旨味が倍増して良かった。
常備菜として味玉、塩にんじんの胡麻和え、ポテサラのたらこ味、切干大根のサラダを仕込む。それと豚こまを生姜焼きのたれに漬けこんで冷凍する。来週もやっていかねば。
6月24日(月)
きょうは仕事後に部内の送別会。月曜日から飲み会だが、その人への辞令が出たのが先週で、異動は7月1日付けなので、もうほぼ都合のつく日がなくやむを得ず、という感じであった。
異動する和泉さんは家族の転勤に伴って異動するのだけど、育休で復帰してこの部署に来て1年くらいだったので、めちゃめちゃたいへんだな……と思う。
ふたりとも総合職ってなんだろう、ほんとに遠くにいる感じする/長谷川麟『延長戦』
という短歌を思い出したりもしたけれど、「ほんとに遠くにいる感じ」にはまだ余裕を感じてしまうくらい、先週からずっと和泉さんはげっそりしていた……きょうの送別会も保育園からお子さんを迎えに行って、そのまま一緒に送別会に参加である。
お子さん、女の子で3歳なのだけど泣いたりもせずおとなしく、ピザとかポテトとか食べている。部内のメンバー、ほぼおじさんたちばかりなのだけど、えらいな……おじさんたちも仕事の延長戦とか愚痴の話に全然ならなくて、子ども中心のパーティー感が出ていて、けっこう楽しかった。
特に岬さんは子ども好きなので、コースターの裏にピクミン(まーたピクミンか!)を書いてあげたりしていた。……ちなみにピクミンは紫の体で眼が真っ赤だったのだけど、そんなピクミンいたっけか……いや、岬さんは芸大卒なのでなんらかの表現という可能性もあるのか……?
そうそう、飲み会の場で岬さんが「今、とろんさんと美潮さんとでピクミンブルームやっているんですよ」と話したことで、前々からウォーキング&ジョギングをしていた光浦さんと星田さんも一緒にやることになった。広がるピクミンの輪。
20時過ぎには終わり、さすがにきょうは一次会で全員解散。和泉さんは明日から東京入りして新居に荷物を入れたり、保育園を見に行ったりするとのこと。
楽しかったけれど、子どもと接するとなぜかざわざわした気持ちになって、エネルギーがたくさん持っていかれてしまう。子どもを持っているひとの空気感にあてられたり、また、自分が子どもに対してけっこう冷ややかなことに自分で驚いたりするということもあるけれど、それは子どもが欲しかったり欲しくなかったりする気持ちを曖昧にしている所為でもあるのかもしれないな、とふと思う。
22時には帰宅してシャワーを浴びてねむる。
6月25日(火)
社内でさっそくピクミンブルームの輪が展開される。光浦さんと星田さんもさっそくダウンロードして、一週間で全員の総歩数10万歩にチャレンジすることに。
ちなみに光浦さんはアラウンドシックスティで、娘さん3人、孫ひとりいるおじさんなのだけど、「まるちゃん」という名前のかわいい女の子のMiiであった……これもバ美肉おじさんなのか。一応「まるちゃん」はお孫さんの名前かららしい。
晩ごはんは冷凍の98円のハンバーグを温めて、あとは常備菜の塩にんじんとたらこ味のポテサラ。キャベツとちくわのお味噌汁、白ごはん。
アマプラで晩ごはん時にこつこつ一話ずつ見続けていた『とんでもスキルで異世界放浪メシ』をついに見終わる。気楽に見れたこともだけど、冒険者ビギナーのお金の算段とか食事とかの問題の描き方に、どことなく『フォーチュン・クエスト』を感じさせて、それも良かった。
あと、先週まとめ買いした『ブギーポップ』シリーズ、めちゃめちゃ面白い。まだあと23冊あるのにすごい勢いで読み終わってしまいそうだ。あまりハイペースで読み終わらないようにしたい。
6月26日(水)
きょうはテレワーク。仕事前に夏生さんのコックコートが闇堕ちしたかのような色になっているので、ウタマロリキッドで手洗いする。
ウタマロリキッド、実はウタマロクリーナーの詰め替え用と間違えて買ってしまったのだけど、結果的に良かったかもしれない。固形の石鹸よりもめちゃめちゃ落ちる。手洗いはもうこれにしよう。
ブギーポップ、『VSイマジネーター』まで読み終わる。これ、10代の当時読んでいたときはいったいどういうことやねん、と思っていたけど今読んだ方が格段に面白いな……霧間誠一の巻頭のフレーズにはもうそんなに惹かれるところがなくなっていて、ただそれゆえにこれに縋りつきたくなる、おそらく若さからくる不安定さを逆算できて、それもそれで面白い。
しかし、ここ数日、TP(タンカポイント)がやや落ちてきているのを感じるので、なんとかせねばと思う。インスパイアされる単語とフレーズのストックが減ってきているというか、その言葉を使って、別の情景に結びつけることができない感じかもしれない。ラノベを主に読んでいるから、という訳ではないが、歌集を今週まじでひらいていないので、短歌をつくる筋力のバランスのとれていなさはある……うーーむ、ひとまず歌集をひらくか……まだ先日買った大滝和子さんの『銀河を産んだように』新装版の歌集もまだ読み終わっていないので……。
晩ごはん、袋煮、小松菜とちくわのお味噌汁、白ごはん、自分で漬けたぬか漬け。常備菜残りをさらう。袋煮の中身は鶏ひき肉と葱。夏生さんに「豪華……!」と云われたけど、映える割に簡単だったり。今度は卵を入れたバージョンでやってみたい。
食後にさらに常備菜をつくり足す。味玉、キャベツのコールスロー(スイートチリソース味)、ささみときゅうりの塩麹和え、味玉など。
半年に一度の塔短歌会の会費の〆切が月末だったと思っていたが、実は20日だったことに気がつく。うわーー、終わった……来月、受賞後第一作載るにも関わらず……と、絶望したがすぐさま無表情で会費をネットバンキングで振り込み、会費の問い合わせ窓口のアドレスに謝罪の連絡をする。
TP以前の問題やろ、もっと生活も短歌もちゃんとせねば……。
6月27日(木)
ピクミンブルーム、まるちゃんがはじめて3日目で美潮さんの総歩数を抜き去る。
早すぎるやろ。ってゆーか、朝から既に2万2千歩くらい歩いてるのか……自分は、朝から2万2千歩歩いたらその後、仕事をスムーズにこなせる自信がない。
帰宅の途中でブラックキャップを買う。
別に現在進行形でテラフォーマーの被害に悩まされているわけではなく、7月2日に今設置しているブラックキャップの期限が切れるので、交換するためなのである。
去年の7月1日にこっちに引っ越して来て、その晩さっそくテラフォーマーが屋外から飛びながら侵入してきたため、翌日に設置したので、交換日を記憶に刻み込まれてしまった。
『とんでもスキルで異世界放浪メシ』の次に『ダンジョン飯』をアマプラで見る。原作も途中まで読んでいるのだがかなりいい感じで、ライオスも様子がおかしいままで良い。
hontoの東京創元社30%オフクーポンと幻冬舎50%オフクーポンが今日までだったので、高殿円『シャーリー・ホームズとバスカヴィル家の狗』と、カレー沢薫『人生で大事なことはみんなガチャから学んだ』を買ってしまう。
きのうTPが落ちててやばい、とか生活も短歌もがんばる、みたいに書いてるのに何買ってんだ、という感じだが、自己批判はこのくらいにして、まあ本は電子の状態でも積むことができるので……。
6月28日(金)
先週の金曜も大雨だったが、きょうも大雨。ただちゃんとレインブーツを履いて、一本早い電車に乗るために家を出るなど。レインブーツ履き口の部分が柔らかくて良い。普通の防水仕様のブーツだとこのあたりが固くて擦れるので、レビューを真顔で読んで選びました。
しかし、いつもより早く家を出て一本早い電車に間に合ったと思ったが、それは準急だったので結局途中でいつもの電車に抜かされるので無意味と気がつくなど……あかん、学んだときには梅雨が明けるかもしれん。
きのう夏生さんが、あとは焼いたらいいだけの白身魚のムニエルを買ってきてくれたので、晩ごはんにそれを焼く。ブロッコリーとうす揚げのお味噌汁、それと常備菜の残り、白ごはん。味噌汁、異様に味が薄かったが、味の素を入れたら塩味を足さなくてもリカバリーできた。これがうまみ成分の力……。
そういえば日記にはまだ書いていなかったけれど、少し前に左右社さんから『海のうた』という海の短歌ばかりを集めた短歌アンソロジーが届きました。1ページ一首組で目次などがなく、どのページにどの歌人が載っているというのが解らない仕様になっていて、ページをひらくごとに歌との出会いを楽しめる感じ。まだ歌集を出していない歌人や、私家版歌集のみ出している方の短歌も収められているのもいいなと思う。
自分の短歌も収録されているのだけれど、もう一度出会い直すような気持ちで、この土日は読んでみたい。
(つづく)
toron*(とろん) @toron0503
大阪府豊中市生まれ。うたの日育ち。塔短歌会、短歌ユニットたんたん拍子、Orion所属。第1歌集『イマジナシオン』(書肆侃侃房)。
□『次世代短歌プレミアム』 https://jisedaitanka.theletter.jp/
○短歌の楽しさをより多くの人にひろげていきたいと考えています。気にいっていただけたらあなたの周りの方へ『次世代短歌』のことを伝えてください。
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