【短歌日記】toron*「ナイフのように爪先立ちで」(第16回)9月14日〜9月20日
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[短歌日記]
ナイフのように爪先立ちで 第16回
toron* 日記 9月14日〜9月20日
俯瞰してみればこわいね秋の日のこんなに余白だらけの町は
9/14(土)
三連休初日。6時半に起きて奈良公園までピクミンブルーム。7時前でも既にかなり暑い……荷物を減らしたかったのと午前中の陽射しを舐めきっていたので日傘を持って来なかったのである。日陰で休憩しつつ散策。
奈良県庁は奈良公園のなかにあるので、とうぜん鹿も敷地内に入ってくる。今朝も入口に鹿数匹が日陰で涼んでいるけれど、毎日こんな感じなんだろうな……。
万城目学の『鹿男あをによし』という小説のなかに「奈良県民はマイ鹿にのって通勤通学している」と嘘をつかれるシーンがあるのだが、この光景をみると出社して鹿を駐輪させているっぽさはある。
きょうは美術館ピクミンをゲットしたくて、奈良県立美術館の前までやってきたのだけれど、惜しくもゲットできず……美術館はまだ開館前だったのだけど『エドワード・ゴーリー展』をやっているらしく、既にならんでいるひとたちがまあまあいた。エドワード・ゴーリー、10代のころは眠れなくなるくらい怖かったのだけど、今見たら違う感慨になったりするのだろうか。
朝マックをしながら「ブレインダンプ」というやり方で、今週のタスクや脳内のもやもやのなんやかんやを整理する。10分くらいでもやつきを紙に書き出してから、長期短期などに分類分けしていく方法。
確かにすっきりするけれど、方法が秀逸というよりは、日々いったん考える時間を持たないといけないのだろうな、とは思うし、こういう時間が持てることにしみじみとしてしまう。
夜は高校の頃の天文部のメンバーでなんばのビアガーデンに行く。
ことし2度目のビアガーデン。みんなよりちょっと早めに着く。
しかし前回よりお店の仕様や客層がパーティーピープル寄りでDJデッキなどもあったりしてビビり倒し、結局みんなが着くまで店頭で待ってしまうなど。その後、強風のあおりを受けながら肉を焼く。
「タコス食べ放題」を謳っていたお店だったのだけど、タコスってそんなに無限に食べられるものじゃないよね、といいながらそれでもとってきた分(部長が生地をいっきに10枚くらいとってきていた)はちゃんともりもり食べた。
このメンバーに会うのはたぶん1年ぶりくらいなのだけど、家を購入してたり、「新車を買ったと思って」家族全員でイタリアに行く予定だったりと、みんな人生やっているのだなあ……と思う。そういう自分も結婚したので、人生をやっているはずなのだけど。
お店を出てから1時間くらい、カラオケをする。もともと全然声量が出ない方なのだけど、コロナ禍を経てさらに声が出にくくなった気がする。コロナには幸運なことにまだ罹患したことがないのだけれど、声を出さない「文化」の方の影響は全然あると思う。
それでも本人MVが出るのでモーモールルギャバンの『7秒』を歌ったら楽しかった。
MVを見たハルさんに「このひとたちはいつもこんなに脱衣するの?」と云われてじわじわきた。いつもはドラムしかしません。
なんばに来ると帰りの接続が良くなくて、奈良に着いたのは23時前。まだ起きていた夏生さんがサカナクションの『アルクアラウンド』のMVを見たことがないというので、YouTubeで流してからねむる。
9/15(日)
来週の下見のために若草山に行く。なんの下見で山に行くねんという感じだけれど、来週わたしの家族と夏生さんの家族をまじえてこの山中のホテルでけっこういいコースを食べる、というイベントがあるのである。
山中、といっても市内ではあるので、車で20分くらい……のはずだったのだが、案の定、入口がよく解らず、わりと最近できたところなのでカーナビの電話番号検索でもヒットせず、そのまま山頂に辿り着いてしまう。スマホの電波も途絶えた。
若草山の山頂、ふもとまではけっこう来ていたけど、こうして山頂まで来るのははじめて。と、いうのも、実は有料道路だからなのである。観光客もちらほら来てはいるけれど、やはり有料道路を通らないと行けないせいか、下界よりぐっと少なく、それに反して鹿はけっこういた。
そして景色もめちゃめちゃ良かった。山の隙間に町がぎゅっと詰まっている感じがクリアに見えた。夏生さんもここまではじめて来たらしい。30分くらい、すごいすごいといいながら周辺景色を眺めたりしてから、本来の目的地へとアタックする。
行きよりも注意深くゆっくり下っていくと、でっかくはない石に彫られたホテルの表示を無事に見つけることができた。いや、これは初見では解らないだろ。とりあえず、やはり下見しておいて良かった……。
米を思う存分食べることに対してさいきん抑圧されていたので、帰りしな、イオン高の原に寄ってお櫃で米が出てきて、だし茶漬けにしてくれるお店に行く。
ひさびさにしっかり米を食べたかもしれない。お櫃ひと桶(お茶碗3杯分)間食して満足する。
夏生さん、帰路の道を間違えたのでついでに道中にあるブックオフに寄る。
ちょうどニンテンドースイッチの中古(箱あり・付属品完備)が2万4千円くらいになっていたので、勢いで買ってしまう。夏生さん、後日ポケモンSVのスカーレットの方を買うらしい。
「今買えばええやん」と云うと、「月詠まったく終わってないので、全部揃って手もとに置いておくのは危険なので……」と返される。
本体のみひとまず本棚のいちばん上に飾った。
9/16(月)
きょうは勇ちゃんの家で、茉莉花さんと羊子さんとただひたすら飲みながらだらだらする会。
正午過ぎたらいつ来ても良い、とのことだったので、KOHYOでかぼちゃサラダとぶどうなどを見繕ってから行く。道中、今月号の現代短歌、BR賞の受賞作や候補作などを読む。
BR賞は過去の受賞作を参考にしたりするのが、めっちゃ難しい賞だな、と改めて思う。野川さんの受賞のコメント、とてもかっこよかった。
15時くらいに着くと、既に羊子さんが来ていて、ヤクルト対阪神のデイゲームを見ていた。
生まれてからずっと関西人なので、もちろん阪神ファンではあるのだけれど、テレビを見る習慣から遠のいて久しいので、こんなにじっくり阪神戦を見たのはまじで星野阪神時代以来かもしれない。
羊子さんは阪神のファンクラブにも入っているので、この選手はさいきん抑えに転向した、とか秋山は今季で引退だから30日の甲子園では登板されるだろうとか、けっこう細かく教えてくれる。
着いたときは0-0だったのだけど、6回からとたんに阪神の打線、というかヤクルトが守備でミスを連発しだして、3-0で阪神が押し切って勝った。ビールが美味しい。
夕方、茉莉花さんも合流してきてからあげ、チーズ、ごぼうサラダ、コンビニのしめ鯖など、わりとチープなおつまみでさらにだらっと飲む。勇ちゃんと羊子さんの「推し」が出ているらしく、刀剣乱舞のミュージカル(髭切膝丸編)のDVDを流しつつ……刀剣乱舞の舞台は宝塚と同様に本編とレビューの二部構成という感じで、けっこう面白かった。
観客席で片手の指の数以上のペンライトを持っているファンの方々もまあまあ多い。自分はまだ3次元で「推し」はいない所為か、こういう部分にもけっこうコンテンツ的に面白く感じてしまう。
勇ちゃんが次にヒプノシスマイクの舞台のDVD を見せたかったらしいが、肝心の回のやつが行方不明で、結局見つからず。そのかわり食器棚の奥から忘れ去られていた日本酒の「みむろ杉」が出てきたので、まあいいか(良くはないが……)と飲むことに。
めちゃめちゃ美味しかったのだけど、既に後半戦、これを我欲のままに飲むとまたまた記憶を失うやつだという「確信」があったので、めちゃめちゃセーブして飲んだ。われながら大人になったなあ、と思う。
いうて全員まあまあ酔っていたので、酔った勢いで、来年2月に伊賀に旅行に行くことに決まる。宿も合議の末にとる。勢いこわいな。でも2月までこの勢いで生きなければ。
9/17(火)
周期的な体調不良。日記の情報だけ見ると、いや、今週ずっと飲んでるからやろって突っ込みが入りそうなのだけれど、先週末くらいから書いてはいなかったものの、通奏低音的な体調不良だったりするのである(じゃあ飲むなよ)(でも飲んでいる間は体調不良を忘れられるので……)。
だいたい、肩から背中にかけてがちがちに固まってしまう。
この症状に関して検索すると、入浴、アロマなどがヒットするのだけど、あまり効果がなく……それ以外だと、ストレッチは入浴とセットで行うと寝る前くらいまでは効いてくれる。漢方はやや効くけどそれ以上にお腹をくだしてしまう。整体はけっこう効きそうではあるのだけれど、毎月このコストをかけられるのだろうか、という踏ん切りがまだついていなかったり……人生何年やっているんだという感じなのだけど、未だにベストがわからない。
きょうから夏生さん、山中の方の別の職場で作業しているので、朝3時半起き。ひええ。その分はやく帰宅するので、これから晩ごはんもだいたい夏生さん担当になる。
晩ごはん、赤魚の粕漬を焼いたの、小松菜とソーセージのお味噌汁、常備菜のえのきの梅和え。白ごはん。23時前にはシュッとベッドに入る。
9/18(水)
続・周期的な体調不良。毎月だが、今月は特に根強い感じで、肩と背中がかなり痛い。アルコールを入れると、若干ほぐれるのだけれど、テレワーク中なので、さすがにやりませんが……。
晩ごはん、きょうは自分の担当。つるむらさきと豚肉の炒めもの、栃尾揚げを焼いてお醤油を垂らしたやつ。鯖缶の冷や汁風。白ごはん。
常備菜として味玉、切干大根のサラダ、万願寺とちくわの炒め煮などもこしらえる。
夏生さんがめずらしく豚肉を半分くらい残すので訊いてみると、以前冷凍しようとした時点でやや危なそうな豚肉だったのだけど、やはりちょっと危険な気がする……と返される。
いや、そんな豚肉なんで冷凍してんねん、しかもこっちはもうほとんど完食してるんだが、とやや揉める。
結局、話が二転三転した末に「自分、なにもできないんで……」と夏生さんを泣かせてしまう。
ちょっといいすぎたかな、と感じないでもなかったけれど、おれのなかの蛇崩先生(『メダリスト』に出てくるフィギュアのコーチ)が、「でっかい男に急に隣で泣き出された人の気持ちになってみてよホンマ……」と、云うていた。
なんとなく心が乱れたので、ひとりだけじっくり湯舟につかってからねむる。
9/19(木)
土曜日着る予定のレンタルのドレス(といってもほぼワンピースだが……)が届く。
が、届いた時点でドレスのスナップボタンの台座が割れていて気持ちが激甚落ちる。それでも「届いた時点で不備があったが、これについて追加料金が発生しませんよね」という旨の問い合わせメールを真顔で送る。
夏生さんに云うと「それって全額返金してもらった方がいいのでは」と返されるが、そこまで頑張れるエネルギーがないんですよ……おれは実はそういうタイプ。
晩ごはんは夏生さん作。肉団子と野菜の炒めもの(炒めるだけのキットのやつ)、豆腐とかに玉のスープ、常備菜の万願寺とちくわの炒め煮、白ごはん。あとキムチ。
気持ちが落ち切っていたので、きょうも湯舟につかる。バスソルトが想像以上にあたたまって、クールダウンするまで黙々とブギーポップを読む。
あと1冊で本編の最新刊に追いつくところまできているが、解ったことは外伝の8冊も読んでからでないと、年表の補填ができないということである。
9/20(金)
周期的な体調不良、トップピークに到る。今日を境に回復するとはいえ、メンタルとフィジカル両方にくるやつは久々だったので、ダメージがそこはかとない。
しかも明日はついに互いの家族をまじえてホテルでコースを食べる日でもあるので、不安がひどい。
と、いうことを同僚の岬さんに話すと「大丈夫、ぼくのエピソードを思い出して」とサムズアップで返される。